ぼんやりしていたら、
ひょいっとかごから下ろされた。




代わりに自転車を押しているしんちゃんのとなりに並んで歩く。


しんちゃんはずいぶん背が伸びて、
お父さんと変わらないくらいになった。




お母さんといっしょに使っている自転車が、
ぎしぎしと音を立てる。




でも、どんなに大きくなっても、
きれいな女の人に目がいくのは変わらない。





こまったくせだなあと思いながらも、
どこか安心してる僕がいる。




いつまでも変わらないでいて欲しかった、
少しだけ乾いた風が吹く、秋。

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