僕の体のことは、
たぶんだれよりも僕自身が一番知っていて。





でも、いいと思っていた。




このままでもいいって。


だって夢の中はあんなにも
あったかくてあまくって。


だからずっとあそこにいても、
かまわないと思ってたんだ。




それじゃだめなの?




しんちゃんがこっちを見た。
しばらく目をきょろきょろさせたあと、
僕を見付けて、顔をくしゃくしゃにさせる。





「シロ。」




名前を呼ばれた。


本当に、ひさしぶりに。




わん。


なんとか声が出た。




本当に小さくて、ガラスごしじゃあ聞こえないかと思ったけれど。




でも、たしかにしんちゃんには届いた。



しんちゃんが近付いてくる。




窓を開けて、僕に手をのばして。




「大丈夫、オラが、何とかしてやるぞ。」




やっと抱きしめてくれたしんちゃんの胸は、
いっぱいどくどく言っていて、



夢の中の何十倍も、
とってもあったかかった。



ねえ、よごれたわたあめでも。





僕は夢を見る。



何度目になるかはわからない夢。


でも、それは今までとはちがう夢。


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