夜中に寝て夕方に起きる。

それがあたしの毎日だった。

暇さえあれば友達と電話して

馬鹿みたいな話しして

また夜になる。

こんな当たり前すぎる毎日に

あたしは憂鬱だった。

夜になって今日もあたしは

家を出て散歩に向かう。

ただ一人の時間が欲しかった。 
ただそれだけのこと。

煙草を吸いながら足を進める。

心の中で空に向かって

「また今日も始まるね」って。 
その時だった。

がしっ。思い切り腕を引っ

ぱられて民家の外れた路地に

引きづられた。

そのとき携帯をめちゃくちゃに 
いじって誰かに電話が繋がれば 
いいと願いながらボタンを

押した。

「っ!?なにすんのっ!?
離せよ、じじい」


「女の力で男に勝てると
思うなよ、お嬢ちゃん」


「SEX?したいの?
SEXならいくらでもしてやるよ」


怖かった。震えてる。

でも…痛みなんか感じない。

服を脱がされそうになった

その瞬間に車の男が聞こえた。

キッー。ドンッ

誰かが凄い剣幕でこっちに

歩いてきてるのがわかった。

近づいてくる男を見て目を

見開いた。

「てめえ俺の女になにして
くれてんだ?こいつになに
した?言えよ」

「え、いや。ちょっと遊ん
でやろうかと…。」

完璧に怯えきっていた。

「てめえ殺されてんだな?あ?」

「やめて!あたし怪我してない
し大丈夫だから。帰る。」

あたしを犯そうとしたやつは

不思議な男に一発蹴られた

だけで気を失った。

「お前ちょっと車乗れや」

「は。なんで。あたし帰る」

「いいから乗れや!!!!」

その剣幕に負けてあたしは

車に乗った。