本部の執務室に入り、私は本日捕縛した校則違反者のリストを作成する。

羽根ペンを走らせても走らせても、終わらない書類作業。

チラリと壁の時計を見ると、もう夕方6時を過ぎていた。

もうすぐ下校時間だ。

苛立ちにも似た、今日何度目かの溜息をつく。

捕縛しても捕縛しても、雨後の筍の如く湧いて出る校則違反者。

皆どうして、決められたルールの中で生活できないのだろうか。

校則とは何の為にあるのか分からないのだろうか。

校則さえ守ってくれれば、私だって何ら彼らを咎める事はないというのに!

「全くもう!」

誰もいない執務室で、一人声に出して呟く。

校則違反者は、一度痛い目を見ればいいんですわ。

そうすれば、校則の意味というものが理解できるでしょうに!