男子生徒のクラスと名前を手帳に書き込み、私は溜息をつく。

まだ火曜日だというのに、もう28人の名前が書き連ねられている。

学園外への無断外出、授業サボタージュ、無許可の装備品持ち込み、学園内での賭け試合、クラブ間での乱闘騒ぎ…。

お陰で風紀委員は休憩時間、放課後を問わず学園内を走り回り、ゆっくり食事をとる暇もない。

校則違反者の捕縛を終えたら終えたで、違反者のリスト作成、罰点の計算、累積数によって各違反者に処分を通達しなければならない。

毎日のように規定の下校時間ギリギリまで学校に残って仕事をしている。

全く…学園に勉強をしに来ているのか、取り締まりに来ているのか分からなくなってしまう。

そうこうしているうちにチャイムが鳴った。

「…午後の授業の予鈴ですわ…」

早く教室に戻らないと。

私はガックリと肩を落とした。