そうこうしているうちに昼休みも終わる時間。

パソコンの電源を切り、私は風紀委員本部を後にする。

教室への道を歩きながら…私は考えていた。

もしクラリエ教諭が本当に事件の犯人だとしたら。

動機は何?

この学園の先生方は、正義感に溢れ、不正を許さず、優れた技術を持つ達人級の実力者ばかりだ。

校則違反者に対しては、風紀委員の私以上に胸を痛めておられるし、憤慨しておられる筈。

仮にその正義感が間違った方向に向き、憤慨が激情に変わり、その激情に駆られるような事になったとしたら…。

聖職者としてはあってはならない事だが、教師も人の子、過ちを犯さないとは言い切れない。

万が一、暴力による制裁で校則違反者達を断罪したのだとしたら…。

それこそ許されざる行為だ。

その時はクラリエ教諭こそ断罪されなければならない。

教え子を傷つけるような時は、彼女に鉄槌が下されるべきなのだ。