「逞は…あたしを好きじゃなかったの」





逞ってゆうのは
さっき未來と喧嘩してた人





「そっか…」






「それでも、あたしは逞が好きだった。だから……」




「だから…?」




「してって言ったの。気持ちがなくても…逞と一つになれるなら、いいかって思って…」




「未來ー…」



「でね?…何回かしたの。そしたら逞はあたしを好きって言ってくれたんだ」




未來の目に
涙がうっすらたまっていく







「うん…それで?」





「やっと両想いになれたーって喜んでたのに…逞の本当に好きな人が…千夏だったって、今日わかったんだぁ…」






「…千夏!!!??」




だから朝、千夏に
冷たくなっちゃったんだ…




「まさか、千夏だなんて思いもしなかったなぁ………それに………千夏は悪くないってわかってても、冷たくあたる自分がいる」






「…………未來…」





「逞を本気に出来なかった自分が悪いんだけどねっ」












ギュッ!!!!





「無理して笑わなくていいよ」




あたしはすぐ未來を
抱きしめた

だって…すごく悲しい顔で笑うんだもん


そんなの"笑顔"なんかじゃないよ…










「…ありがと」






涙声が耳元に届いた










未來、辛いよね


好きな人が親友を
好きなんて…





あたしなら
どうするんだろう



気持ちがなくても
一つになれるなら、
そう思える人って…

本気なんだね未來











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