「はいはい。サンキュ。で、飯は?」
お兄ちゃんはお母さんの言葉を軽く流した。

お母さんを見るとちょっと悲しい瞳をしていた。

あっ!
お母さんが…。
私が元気づけなきゃ!

「わ、私もお腹減っちゃったなー。お母さんの美味しいご飯食べたいなぁ」
オロオロしながら必死に言った言葉。

お母さんはパァっと顔を輝かせ、「テーブルに置いてあるわよ♪」と言った。

「あ、ありがとう♪」
私はニッコリと笑った。

お母さんもニコッと笑い、お皿洗いの続きを始めた。

フゥ…。
良かった。
キッと席に座ったお兄ちゃんを睨んだ。

私はお兄ちゃんの隣の席に座った。
ガタッ

普通に朝ご飯を食べるお兄ちゃんに向かってお母さんに聞こえないように小声で言った。
「ちょっとお兄ちゃん!お母さん傷つきやすいんだから軽く流さないでよ!」

するとお兄ちゃんが、
「母さんに付き合ってたら、飯食べられなくなるだろ」
最もな事を言った。

「…そーだけど」
私は言い返せなかった。
お母さんは人を褒めだすと止まらなかった。

しょげてるとお兄ちゃんが私の頭をポンポン叩いた。
「だいじょぶだって。母さんすぐ元気になるから」
そう言われてお母さんを見るとまだルンルンしていた。

私の一言がそんなに嬉しかったのかな。
…なら良かった♪

「…そだね!」
私がお兄ちゃんに向かって微笑むとお兄ちゃんもニコッと微笑んだ。

「ほらっ。早く食わねぇと学校に遅れんぞ」
「うん!!」

私とお兄ちゃんは楽しく話しながらご飯を食べた。
途中でお母さんも会話に入って一緒に話した。