「う~ん…。やっぱり海斗さんだね」
腕を組みながらうんうんと1人で納得していた。

え!?
いつの間に?
友美は私の手から手首を離していた。
ぼ~っとしてたから気付かなかったのかな?
って今日はこんなことしてる場合じゃないんだった!

「友美、今日は早く教室行きたいんだけど」
「ん?なんで~?」
クルリと顔だけをこちらに向けた。
「ちょっと皆に言いたいことがあって」
「…わかった。じゃ行こっか」
「うん!」
勢いよく首を縦に振った。

その後、友美は私の横を通り過ぎ、「ほら行こ?」と首を傾げながら言ってきた。
私はすぐに友美のいる所へ駆け寄った。
さっきより早く歩いてくれている。
早ければ早い方がいい。
あのコよりは早く教室に行っていたい。
お願い、あのコはまだ教室に来てませんように!
心の中で祈った。

すると、もう教室の前に来ていたようで。
ガラガラ
友美が教室の扉を開けた。
「おはよー!」
「おはよ~」
クラスの皆に挨拶をする。
「おはよっ」
とか。
「おっはよ~」
とか。
皆それぞれ言い返してくれた。

「おはよ、2人共」
わっ。
朝から天使並の笑顔だ。
「おはよ~、竹井くん」
「おはよ!竹井」
私の顔を見た瞬間プイッとそっぽを向いてしまった。

どーしたんだろ?
友美はこの状況を楽しんでいるかのようにニヤニヤしていた。
すごく気になるけど、今はそれどころじゃない。
よ、よし!
皆いる。
ふぅ…。
大きく深呼吸をする。
今から話すことを頭の中で繰り返す。
…うん、いける!
ス~と息を吸い込む。
「み、みんな!!」
いきなり大声を出したからほぼ全員、肩を小さく揺らした。
みんなの視線が私に向けられる。
き、緊張する…。

そして話そうとした時。
ガラッ
勢いよく私達側の扉が開かれた。

!!
まだ話してないよぉ…。