「朝、会ったから…」
私は、歩美ちゃんの顔を見ているのが辛くて、床を見ていた。

「昨日言ったこと、忘れたの?」
忘れてなんかないよ…。
ゆっくりと首を横に振った。

「じゃあ、なんで!!」
「昨日言ったように、歩美ちゃんの言ったことには、従えない…」
「…何、でよ」
歩美ちゃんの顔は更に悲しさが増していった。

「歩美ちゃんを悲しませるのは嫌だけど、私も友美と一緒にいたいから…」
「…」
私の言葉を黙って聴いている。

「…だから、歩美ちゃんとも仲良くなりたいな」
ニコッと微笑む。
「…や」
「え?」
「嫌だって言ったの!」
…なんで?
歩美ちゃんの言葉にショックを感じずにはいられなかった。

「友美のことも気にくわないけど、1番気にくわないのが……翔のことよ!!!」
翔?
竹井くんのこと?

「…な、なんで?」
もう私、泣きそうだよ…。

歩美ちゃんは頬を少し赤らめて、
「あんたなんかに言いたくない…」
と私から顔を逸らした。


なんで顔、真っ赤なの?
…もしかして熱!?

「大丈夫!?歩美ちゃん!」
「な、何がよ」
わけがわからないという顔をしていた。

「顔、真っ赤だよ!?」
「…んな!バ、バカ言ってんじゃ」
私は歩美ちゃんの言葉を遮り、
「熱!?保健室行く!??」
あたふたしていた。

そんな私を見て、「……はぁ?」あんたバカ?と言わんばかりの顔をしていた。

「はぁ…。あんたねぇ~」
歩美ちゃんが何かを言おうとした時。

ガラッ
勢いよく扉の開く音がした。