でも、お母さんって…。
1度言ったら曲げないからなぁ。
…まぁ、咲月がいいならいっか。

「…じゃあ、咲月に聞いてみるよ」
「ホント!?」
「うん」
お母さんは子供みたいに瞳を輝かせていた。

「じゃっ、聞いてくる」
「よろしく~♪」
咲月は未だに玄関だと思う。
ずっと立ってんのかな?

ガチャ
リビングの扉を開けた。
少し行った所を右に曲がると…玄関。

「あっ!友美!!」
先に気付いたのは咲月の方だった。
「ごめんね、咲月。待たせて」
あたしの言葉にふるふる首を横に振った。

「全っ然、平気♪」
「そっか♪…でさ、やっぱお菓子は咲月が取りに行ってくれる?」
「うん!いいよ」
「あたしは先に部屋行ってるからお菓子持ってきてね♪」
「わかった!」

「おじゃましま~す」
咲月はリビングへ、あたしは自分の部屋へ向かった。

トントントントンッ
階段を昇り、
ガチャ
部屋の扉を開けた。

いろんな色で飾られたあたしの部屋。
壁は白、ベッドは薄いピンク色で、クッションやぬいぐるみなんかもあってなかなかの良い部屋。
けっこうカラフル。

「やばっ、ちょっと汚いや。片付けなきゃ」
ベッドは朝、起きた状態のまま。
雑誌が床に散らばっていた。

さっさと片付けないと、クッキーが食べれないな。
ベッドを整えて、雑誌は本棚にしまって…っと。
これでオッケー。

あとは、水色の丸いテーブルを用意して。
これなら話が出来るでしょ。

セッティングが終わった時…。
ガチャ
「友美♪」
咲月が満面の笑みで部屋に入って来た。
手にはクッキーが沢山並べられているお皿を持っていた。
「咲月!ありがとう」