その中で、ひとつだけ
浮いていた赤色のワンピースを
着て、部屋から出て来た私の姿
をいずるは、黙ったまま
見つめる。

じーっと見つめる視線が痛い。

「おかしいかな?」

「おかしくないよ
 すごく似合ってる」

「赤色なんて最近は、あんまり
 着ないから恥ずかしいけど
 他のお洋服は、どれも
 大人っぽくて・・・」

いずるは、赤いワンピースの
流れるスカートラインに
そっと手を触れた。

「俺の好きな色を着た
 レイ、君は
 とっても、綺麗だ」