ここからは見えないけれど

浅緋はきっと

驚いた表情をしているだろう。

「・・・だから、アサヒ
 お前は
 何も心配しなくていい」

浅緋は今、やっと気がついた。

いずるの手に持つ、黒い傘・・

『親切な人が貸してくれたの
 とても素敵な人だった・・』

「そうか、いずる
 お前だったのか・・・
 確かにお前は、俺よりも
 かっこいいよ」

「アサヒ、何言ってる?」

「こっちの話だ・・・」