──中学入学
この時もまた、私は麻衣と一緒だった。
「可波〜!ねぇちょっと聞いてぇ」
朝から興奮気味の麻衣。
「麻衣〜!どぉした?今日も朝からハイテンションだね〜!」
「そうなんだよ〜ねぇ、見て見て!あそこにいる人超カッコよくない!?」
「ホントだぁ!カッコいいね〜」
適当に流しといた。
玄関で友達としゃべりながらクラス分けの名簿を見る彼。
確かにカッコいい。
背は高い。髪の毛は少し茶色い。肌はきれいな方で、特別黒くないが白いわけでもない。
「あの人、瀬崎っていうんだってぇ!!下の名前はわかんないんだけどね」
「へぇ〜!」
さすがイケメン好きの麻衣だな。
どっから得てくる情報なんだろ。
「瀬崎って何組かな?一緒だといいなぁてか勝手に呼び捨てしちゃった!あはは〜」