「……すっげぇ…」

リュートは口を開けて姿を現した彼を見上げた。
彼は優しい瞳で、シーファを見下ろしていた。

「…まさか、鯨が顔を出すとはな…」
「さっすが、海の皇女さまだな。」

予想外の情報提供者に一番唖然としていたのはシーファ本人だった。
ポカンと口を開けて、その優しい瞳を見つめた。

「……はっ！うん、そう、海で何があったかを……知ってる？」

他の３人には鯨の言葉は分からない。
しかし、シーファの様子からいって、話しかけられたのだろう。
慌てて首を縦に振り、鯨と会話を始めた。かなり貴重な光景だ。