ガルが握り返すと、ものすごい力で握りこまれる。

「!」

「お前、死ななくてホント~に、良かったな!」

「…ああ、心からそう思う…」

言葉だけみれば熱い友情が生まれたようだが、2人とも顔は引きつり、言葉の端々にとげが感じられる。
後ろで見ていたニーナが呆れたように溜息を付いた。

ガルの手を振り払い、ふんっと鼻を鳴らして、ダートンは背を向けた。

「じゃあな!元気でやれよ!」

ダートンの向こうの船から、船員達が口々に叫びながら手を振っている。
それに笑顔で応える。

「よし、じゃあ行くか。」

「うん!……待って、リュートは?」

「あ、あの坊やなら…」

ダートンが船の方を指差す。