ガルが掴んだ腕を離して、髪に手を通す。

耐えられなくて、ぎゅっと目を閉じると、ガルの腕がすっぽりとシーファを包み込む。



「…好きだ。」



耳から入ったその言葉は体中を駆けめぐってしびれさせる。
力を緩めたガルの視線から逃れるようにシーファはあさっての方向に視線を向ける。

「シーファ?」

不安そうな声に、自分もそうだと伝えたいのに、泣きそうで、恥ずかしくて、どうしても顔を見れない。
そっぽを向いたまま、こくこくとうなづくことでしか表現できない。