マティリが魔女の子孫で、王家への憎しみからシーファを狙っている。というのが今回の事件の原因だと推理がまとまった所で、4人は魔女の館を出て、洞窟を抜けて外の空気を吸いこんでいた。

長い時間洞窟の中にいたので、日は真上を通り越していた。

「ん…はぁあ~~~!!やっぱ外の空気はうまいなぁ!」

両手をいっぱいに伸ばしてリュートが鼻を膨らませた。

「ホントに埃っぽかったもんね~あ、まだ付いてる。」

ニーナは体をくねらせながら、服に付いた埃を丹念に払う。
そんな2人を横目にガルは魔女の館から持ってきた例の宝石箱を足元に置いた。

「早く元に戻してあげないと。」

シーファも宝石箱の前にしゃがみこみ、一つの宝石を手に取る。
と、少し離れた茂みが激しく揺れる。