『悪い魔女。変な薬を作り、王家の座を狙っていたに違いない。』

『あんな女の薬を飲んでいたなんて…、あんな姿になってしまったらどうしましょう。』

『追放だ!魔女など、誰も居ない海に追放だ!』

王家の槍に貫かれ、よろよろと海に沈む<彼女>に投げかけられる言葉は、光り輝く槍が与える痛みよりも鋭く、冷たく、深かかった。


忘れるものか。そう呟きながら、憎しみを風化させぬよう、何度も思いだしては、唇を噛み締めてきた。

憎い。王家が、海の国の全てが憎くてたまらない。