一気にまくしたてた後、顔を手で覆って、必死で言葉を紡ぐシーファをガルは抱きしめる。

「悪い、済まなかった…辛い思いをさせて…その…」

謝罪の言葉だけが口をつくガルをシーファが恨めしそうに見上げる。

「あ…違うな…悪い、じゃなくて……その……ありがとう。記憶、取り戻してくれて…」

ガルの腕の中、シーファは満足そうに優しく笑った。
その笑顔に照れ臭くって顔を上げるが、ニーナとリュートがすぐそこにいるのに気づいて、ますます顔が真っ赤になった。


船付き場でじゃれあう海宝堂を、ダートンが船から楽しそうに見下ろしていた。