「ガルはどこ？」

「ガル？ふらふらしてんのは見たけど、今は…どこ行ったんだ？」

キョロキョロと辺りを見まわして首を捻るリュートの肩にダートンが手をかける。

「あいつなら、船を降りた。」

「はぁ！？」

「あの、バカ…あ、ちょっと、シーファ！」

目をまん丸くするリュートと、頭を抱えるニーナを置いて、シーファは船から飛び降りた。
熱は下がったが、アバラはまだ完全にくっついてはいない。船付き場に着地すると痛みが走ったが、そんなものに構っている場合じゃない。

辺りを見まわして見つけた、金髪の背中に思いっきり飛び蹴りを食らわせる。
ガルは突然のことに頭から地面に激突した。起きあがって振り向くと、シーファが脇腹を抑えて顔をしかめている。