「このまま彼女を置いて行け。」



続く言葉には流石にその身を翻す。
ダートンはまっすぐとこちらを見ていた。その目に絶え切れず、思わず視線をはずす。

「お前は彼女を傷つけた。一緒にいる権利はない。もう、手を引け。」

ダートンの言葉に何も言い返せず、視線すら合わせられぬまま、ガルはその場を後にした。

ガルを心配して、様子を見に来ていたニーナが物影で溜息をついた。

シーファが熱を出して三日目。シーファの容態はようやく落ちつきを見せ、穏やかな寝息と寝顔にニーナもやっと安心することができ、それをガルに知らせに来た矢先の出来事だった。