大きな帆船の、その甲板で一つの影が双眼鏡を降ろした。
そして、上手く風に乗ったマシュー号を見送りながら、ニタリと口を笑みの形に曲げた。

「よし、あの船の後を追うぞ。」

「お?楽しそうな顔してんじゃん?」

「ああ。いいものを見つけたよ。」



空は青く、よく晴れている。
が、この先の道のりには、暗雲が立ちこめているのかもしれない…。