その後、服を着替えて出てきたシーファから、イルカからの話を聞いた。

「誰も越えられない、激流の壁…ね。」

「そう、それが島の底部から海底にかけて、円柱状にできてるらしいの。」

こんな風に…と、シーファは手で円柱を作って説明した。

「今までそれが消えたことがないとなると…自然の物とは考えにくいな。」

「つまり!魔女の仕業ってことだよな!よっしゃ!行こうぜ!」

ガルの言葉に出航準備に取り掛かろうとするリュートを、ニーナは軽くたしなめる。

「そんな簡単にはいかないわよ。シーファ、その島には人は住んでるの?」

「分からないわ。この子達は島まで近づけないし、この辺りで魚を獲る船は見かけるけど、付いていったことないからって。」

「船?その島からの船じゃないとしたら、近くに別の島があるってこと?」

「そういうことになる、かな?」

ニーナは腕を組み、少しの間考えをめぐらせた後、顔を上げて言った。