まどかがこうして、とりわけうまくいっている恋愛の話をしている時は、本当にいつも楽しそうで、イキイキと話すのだ。
くるくると表情が変わり、その大きな瞳は輝いて、女のあたしでも、可愛いと思ってしまう。
これにはどんな難攻不落な男の子も敵わないだろう。
「で、海から帰ってきた次の日に航平くんからメール来て、明日の夜会えないかって言われたの。航平くん、あたしの家まで車で迎えに来てくれて。なんと車がセダンだったの。凄くない?まぁお父さんのお下がりなんだけどね。
せっかく免許取ったんだし新車乗りたいって言ったんだけど、まだそんな時間経ってないから、中古で馴らして乗り潰せって言われたんだって。
それで、最初はご飯食べに行って、海楽しかったー?とか世間話してたんだけど、食べ終わって車に戻ったら、航平くんったら顔を真っ赤にさせて、すっごい緊張した感じで本当は前から好きだった、付き合ってくれって言われたの。
あたしもう超嬉しくって、速攻OKしちゃった」
そこからはその彼氏、「航平くん」がどんな人なのかをまどかは語った。
航平くんは、この街の国立大学の歯学部に通う大学三年生。あたし達より2歳年上だ。
家は代々続く歯科医で、この街の高級住宅街に、とりわけ大きな一軒家をかまえているのだと言う。
航平くんは、その国立大に現役で合格したエリートな上に、中学校からずっと続けていた陸上の短距離走で全国大会に出場する程のスポーツ万能。趣味も読書や映画鑑賞と言ったインドアなものから、山登りやスキューバダイビング、スノーボードなど幅広いらしい。
でもそれを少しも鼻に掛けない飾らない性格で、誰に対しても親しげに接し、まどかにもいつも優しく大事にしてくれる−そんな漫画かドラマの世界から出てきた様な完璧な人らしい。
「でもね、航平くんったら結構オクテみたい。今までに付き合った彼女、一人だけだって。まぁ大学に入学してから1年ぐらいしか付き合ってなかったって言ってたけど。
そのせいか、すっごい純情で、つい最近まで手とか繋いで歩いた事もなかったんだ。なんか、告られた事も結構あるんだけど、自分が好きになった子と付き合いたいって思ってて、みんな断ってたんだって。真面目だよね。
でも、あたしに告ってくれたって事は、それだけ本気な証拠でしょ?航平くん、イケメンだからモテるに決まってるのに。もうそのギャップがたまんない感じ」
まどかがそう言って、携帯を開き待受画面を見せてくれた。
それは二人で撮ったプリクラの画像で、幸せそうに微笑むまどかに寄り添う様に、顔立ちの整ったハンサムと言うよりかは、女顔の青年が照れくさそうに笑っていた。
フェニックスのヴォーカル・海も、その人間性はさておいても中性的と言うよりは女にしか見えなかったが、航平くんもなかなかのものだ。
ぱっちりとした二重瞼に、形の整った隆鼻。
そして、どこか女性的な細面の輪郭。きっと彼のお母さんもこんな顔をしているのだろう。
「じゃあ、あたしも杏子を見習ってちょっと焦らしてみようかな〜。航平くん、純情だからまだ手出してこないだろうし。
まだあたしと目が合うだけで、照れちゃって逸らすんだよ」
くるくると表情が変わり、その大きな瞳は輝いて、女のあたしでも、可愛いと思ってしまう。
これにはどんな難攻不落な男の子も敵わないだろう。
「で、海から帰ってきた次の日に航平くんからメール来て、明日の夜会えないかって言われたの。航平くん、あたしの家まで車で迎えに来てくれて。なんと車がセダンだったの。凄くない?まぁお父さんのお下がりなんだけどね。
せっかく免許取ったんだし新車乗りたいって言ったんだけど、まだそんな時間経ってないから、中古で馴らして乗り潰せって言われたんだって。
それで、最初はご飯食べに行って、海楽しかったー?とか世間話してたんだけど、食べ終わって車に戻ったら、航平くんったら顔を真っ赤にさせて、すっごい緊張した感じで本当は前から好きだった、付き合ってくれって言われたの。
あたしもう超嬉しくって、速攻OKしちゃった」
そこからはその彼氏、「航平くん」がどんな人なのかをまどかは語った。
航平くんは、この街の国立大学の歯学部に通う大学三年生。あたし達より2歳年上だ。
家は代々続く歯科医で、この街の高級住宅街に、とりわけ大きな一軒家をかまえているのだと言う。
航平くんは、その国立大に現役で合格したエリートな上に、中学校からずっと続けていた陸上の短距離走で全国大会に出場する程のスポーツ万能。趣味も読書や映画鑑賞と言ったインドアなものから、山登りやスキューバダイビング、スノーボードなど幅広いらしい。
でもそれを少しも鼻に掛けない飾らない性格で、誰に対しても親しげに接し、まどかにもいつも優しく大事にしてくれる−そんな漫画かドラマの世界から出てきた様な完璧な人らしい。
「でもね、航平くんったら結構オクテみたい。今までに付き合った彼女、一人だけだって。まぁ大学に入学してから1年ぐらいしか付き合ってなかったって言ってたけど。
そのせいか、すっごい純情で、つい最近まで手とか繋いで歩いた事もなかったんだ。なんか、告られた事も結構あるんだけど、自分が好きになった子と付き合いたいって思ってて、みんな断ってたんだって。真面目だよね。
でも、あたしに告ってくれたって事は、それだけ本気な証拠でしょ?航平くん、イケメンだからモテるに決まってるのに。もうそのギャップがたまんない感じ」
まどかがそう言って、携帯を開き待受画面を見せてくれた。
それは二人で撮ったプリクラの画像で、幸せそうに微笑むまどかに寄り添う様に、顔立ちの整ったハンサムと言うよりかは、女顔の青年が照れくさそうに笑っていた。
フェニックスのヴォーカル・海も、その人間性はさておいても中性的と言うよりは女にしか見えなかったが、航平くんもなかなかのものだ。
ぱっちりとした二重瞼に、形の整った隆鼻。
そして、どこか女性的な細面の輪郭。きっと彼のお母さんもこんな顔をしているのだろう。
「じゃあ、あたしも杏子を見習ってちょっと焦らしてみようかな〜。航平くん、純情だからまだ手出してこないだろうし。
まだあたしと目が合うだけで、照れちゃって逸らすんだよ」