どのぐらい見つめ合ってただろう…


きっと数十秒だったと思うけど、アタシには気が遠くなる程長く感じられた。


でも瞳を反らす事は出来なくて


じっと夏樹の真剣で真っ直ぐな瞳を見ていると、夏樹と一緒に遊んだあの頃が蘇って、切なくなる。



小さい頃は、家の近くの土手に生えていた1番大きな木に登って、2人で川の向こうにある町を良く眺めた。



「夏樹、大っきくなったら川を超えてあっちの町に探検に行こうよ!」


『うんいいよ。』


「ちょっと怖いけど、ワクワクするね〜!」


『大丈夫だ!一緒なら怖くない!』


そう言って笑った夏樹は、本当に真っ直ぐな澄んだ瞳で遠くを見つめていた。



この先にある未来に思いを馳せて…。