「……じゃあなんだよ。

 俺、なんも悪くないじゃん。
 
 キレられる理由が分かんねぇよ。」




『美由に、あんたとしゃべんないでって

 言われたの。』




「はぁ?なんだよ。」




『だから、黙ってたし、

 しゃべんなかったの。』




「なんで怒ってんだよ。」




『分かんない…だけど。』




「だけど?」




『しゃべれないのが、辛いの。』




「泣きそうになってんじゃん。」




『ちーがーう。』




「もう、しゃべんなくていいから。」




休み時間が終わるまで、




ずっと、ずっと頭をなでてくれた。




「髪、きれいだよな。」




「頭、ちっせぇ。」




途中で言ってた一言にいちいち




ドキドキしてた。