――――慄梛―――――


磨梛抖が帰った日から数日が経って、


「りっちゃん、ちょっと
電話代わってもらってもいいかな?」


碧兎さんから電話を受け取ると磨梛抖の声がして、一方的に話しを進められて、慌てて引き止めようする前に切られてしまった…


「りっちゃん、もう終わっちゃった?」

「切られちゃいました。
碧兎さん、急に代わるの反則ですよ…」

「いや、電話がきてる様子がなくて健哉から
番号聞いてさ」

「だからって反則です!」

「まぁ、すぐにかかってくると思うからさ、電話の前で待ってな」


碧兎さんのいったとおり磨梛抖から電話がきて


“次の土曜日に水族館で待ってるから”


「磨梛抖なんだって?」

「土曜日に水族館で待ってるって…」

「行っておいで、真妃には俺から言うよ」

「碧兎さん、わたし…」

「ん?ほら、そこ座って話してごらん?」


クマのマグカップに紅茶を煎れると、
碧兎さんはわたしの向かえの席に座った


「磨梛抖にこの間、告白されたんです…」

「マジ!?
でも、なんでそんな浮かない顔してんの?」

「凄い嬉しかったんです。
でも、好きだから考えなきゃって思ったら
どうしたら、いいのかが解らなくなっちゃって…碧兎さん、わたし…」