――――磨梛抖――――
「もう一人で抱えるなよ。頼れよ、約束するから…
一人で勝手に決めて行動しないって約束する…
俺には慄梛がいなきゃ意味がないんだよ…」
そっと抱きしめて健哉さんとかが言ってたことが本当だとしたら、慄梛は家に戻らない…
それを考えただけでどうにかなりそうで、
許せない気持ちがまた溢れ出してくる…
守るとかかっこいいこと言ってたって、結局何も出来てなかった自分に怒りまで覚える…
「磨梛抖、自分を責めちゃダメだよ…?」
「えっ…?」
慄梛の意外な言葉に驚いて思わず顔を見ると
「力強すぎるもん、解るよ?
磨梛抖が考えてることくらい
何年一緒にいると思ってるの?」
ゆっくりと、腕の力を抜いて…
「責めたくもなるよ?
慄梛は自分が帰ったら俺らがまたなんかされるって思ったんだろ?
もう、終わったんだ…」
「何、それ…?知らないよ?」
「磨咲飛、間伐の妹に謝って、聞いたんだよ
脅したって…慄梛がここからいなくなったらもう何もしないとか言われたんだろ?それから、健哉さん達からも聞いたよ…?」
慄梛は小さく頷いた
「もう、大丈夫だから…
また一緒に学校行こな?」
「高校辞めちゃったよ」
「うん、知ってるよ。俺らも辞めたんだ…
だから違う高校受験するんだよ、慄梛も一緒に」
「本当に?」
「だから一緒に帰ろ」
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