――――慄梛―――――
「じゃ、ここにお布団置いておくね」
「ありがとございます」
「ううん、何かあったら呼んでね?
リビングにいるから」
真妃さんは布団を運んでくれて、当然ながら
久しぶりに磨梛抖と2人きりになった部屋は
シーンとしていてお互いに口を開くのを待ってて…
だけど、
「…情けねぇーな…」
「えっ…?」
「緊張し過ぎて、心臓がバクバクいってんの…
めちゃくちゃ逢いたくてしょうがなかった癖に笑えるよな…」
「そんなことないよ、わたしも心臓が煩いよ
煩さ過ぎて、磨梛抖に聞こえちゃうんじゃないかって焦ってるもん…」
優しく頭を撫でてくれて
考えること一緒じゃん
って磨梛抖は笑った
「俺ね、物心ついたときから慄梛が好きだった…
今でも変わらねぇーか…
もっと好きになってるだから、馬鹿だったって思ってる…
何も言わなくても慄梛はずっと一緒にいるって思ってたから、いなくなった時まじ後悔した…
気持ちを伝えてりゃ良かったなって…」
磨梛抖がこんなに想ってくれてたんだって知って
「磨梛抖だけじゃないよ、好きだよ、磨梛抖が…
気持ちをね、素直に言おうって思った時に
磨梛抖はただの幼なじみとしてしか見てないって勝手に思い込んで、思い込まないとダメになると思ったの…言えずにいたらあんな
ことになっちゃって後悔しちゃった…」
「ふっ…、俺らって相思相愛ってやつ?」
「そうだね、想いすぎかもしれないけどね」
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