「さっきの店員さんね、お父さんの同級生なの旦那さんにお母さんが奥さんを紹介して結婚したんだって…不思議だよね、人って」

「不思議…?」

「知らない間に凄く大切になったりするし、
好きになったりとかね」



運転しながら真妃さんは思い返すように言った



「りっちゃんも大切な存在だし、キイちゃんも碧兎も、みんな大切な人その大切なものを否定したり、なかったこととか出来ないでしょ?
それにどこにいようと、その絆は一生だもん」

「……………」

「だから、行っておいで幼なじみくんのとこに」





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わたしに負担をかけないようにか真妃さんは
そういって



「もう無理なことは言わない、りっちゃんと
一生逢えないわけじゃないもんね」

「真妃さん、わたし磨梛抖に会ってきます
そして、伝えてきます“好きだった”って、そしてまた、戻ってきます」

「りっちゃん…」

「真妃さん泣かないでください」



袖で涙を拭う真妃さんは



「駄目だよ、ちゃんと伝えなきゃ!!
“好きだった”じゃなくて“好き”って伝えなきゃ駄目!!」





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