それから、


「わたし、物心ついた時から幼なじみのことが好きだったんです…」

「だったって…？」

「それぞれ、違う人と付き合って…
耐えられなくて、逃げちゃいました」



ニコッと微笑むりっちゃんの顔は淋しげな辛そうな表情に言葉が見つからない…
そんな、わたしに



「本当は会って伝えたいことがあったんですけど、そっと見守りますね」

「だ、駄目っ!
逃げちゃ駄目だよ、向き合わなきゃ、ね？」




ほんとは違うことが言いたかったのに、口にしたのは違う言葉…



「逃げちゃ駄目だよ、向き合わなきゃ
逃げてたら本当に欲しいものがなくなっちゃう」

「真妃さん…」



りっちゃんにいつまでもここに、わたしたちの側にいてって言おうと思ってここまで来たのに、りっちゃんのこんなにも悲しそうな顔見たら言えないよ…



「会いに行っておいで？幼なじみくんに…」

「……………」

「そして、また絶対に帰ってきてね」





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