気持ちを切り替え、わたしは鞄から手紙と
碧兎さんたちと撮った写真、それから書類が入った封筒をテーブルに置いた…
これでやっと、みんなが幸せになれるんだ…
「…よし、そろそろ戻るべき場所へ行こか…」
小さく自分に問い掛け部屋を出た…
だけど、だけど最後にもう一度、
目に焼き付けようと那沙の部屋にそっと入った…
那沙の目元には乾いた涙の跡が残っていた…
泣いていた理由とも言えそうな紙切れが
ベット脇に落ちていて拾い上げると、
那沙宛てに書いた誕生日ようの手紙…
毎年、二家族で祝っていた誕生日に、わたしは祝ってあげられないと残した手紙を毎日、毎日読んでくれているのか便箋にはインクが滲んだ跡があり、紙はよれよれしていた…
「那沙…」
小さく呟き髪に触れた…
「お…ねぇ…ちゃ…ん?」
びっくりして手を引っ込め那沙をみると
“スーッ”と規則正しい寝息が聞こえ寝言で安心し、那沙の部屋を出た…
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