――――磨梛抖――――
慄梛を探し続けて夏休みが明けようとしていた…
「磨梛抖、なんか収穫はあったか?」
「いや、ない…」
「警察には届けたのか?」
「事件かなにか絡んでないと捜査はしないって言われたよ…」
毎日毎日、慄梛の写真を片手に聞きまわっている
「ごめんな、毎日飽きず付き合わせて…」
「俺はどーせ謹慎だし
つか、慄梛ちゃんが心配じゃん」
「俺達のこと忘れんな」
裕也と俺が話してると賢の声が響いた…
「忘れるわけねぇーよ
みんなして謹慎になっちまったんだから」
俺に賢に櫟玻に相沢に呉井、慄梛以外の6人みんなが学校に盾突いて謹慎になった…
「学校に盾突いて謹慎になった時は俺は
ラッキーって、思った!」
「俺も、謹慎中は外出も禁止って言われたけどさ
そんなのさ“はいはい”って素直に聞いてられ
ないよな!」
「ばぁーか、それで
みんなが退学になったらどうすんだよ」
「もちろん慄梛を含め、7人で他校受験する!!」
「賛成♪」
高校にいってた頃より、笑いも増えた
これが普通だと思うとなんだか涙がすうっと
頬を伝わった…
―ここに慄梛がいたらもっと笑えるのに…――
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