「磨咲飛!?お母さんより那沙に許可とってよ…」
「那沙はいないから許可取らなくても大事」
と、わたしの部屋で磨梛抖が座る場所に磨咲飛は座って言った
「那沙出かけてるの?」
「友達ん家に泊まりで、途中まで送ってさ
俺は駅前の本屋に行こと思ったら慄ねぇーが
泣いてたから今に至る」
「そーだったんだ…」
「ん、でさ?なんで泣いてたの?」
「磨梛抖に会いたくて…連絡もないのも初めてで淋しくて…会いたいの」
そう伝えると磨咲飛は真剣な顔で何か考えてる
みたいで口を開くのを待った…
「…兄貴に会いたいのが理由…?
ほんとはまだなんかあるんじゃない?」
じっと見つめられ目を逸らすことが出来ない…
「…磨咲飛は謝りたいって思う人いる……?」
「謝りたい人…?」
「うん…謝って許してもらいたいって思う人…」
「…そりゃ、いるよ
わりぃーことしたなって思ってる奴…」
遠くを見つめるように磨咲飛は呟いた…
「そう、なんだ…」
「慄ねぇーに話したことねぇけどさ?
俺、那沙と付き合う前に付き合ってた女をフッたんだ…」
―これって、もしかして舞ちゃんのこと…?――
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