「う、嘘じゃないよ」
「慄ねぇーは嘘ついてる俺、さっき那沙と一緒に賢ちゃん達と会ってたし映画なんて見れねぇーよ
ほんとの理由教えてくんねぇーかな?
頼むよ、これじゃ兄貴に合わす顔がねぇーよ…」
磨咲飛は地面にしゃがみ込み弱々しく呟いた…
「磨咲飛は磨梛抖の居場所知ってるの…?」
「………………」
「黙ってないで教えて!」
磨咲飛はビクッとし
「知ってるよ…
兄貴は慄ねぇーともう一度一緒にいる為に
ただそれだけの為に…
自分を犠牲にしてあの女と正式に付き合い始めた…」
「そ、それで…?」
「そのことを慄ねぇーが知ったら絶対自分を責めるって兄貴は家をでていったよ…
“俺がちゃんと全部解決して戻ってくるまで慄梛を頼むな”って」
磨咲飛は寂しそうにクスッと、笑った
「ま…さと……」
「…んで、泣くんだよ?
兄貴は慄ねぇーに笑って欲しいんだぜ?
その為に兄貴は会いたい気持ちもグッと抑えて、
我慢して我慢して、一生懸命大切な者を
守ろうとしてんだから笑ってろよ…なぁ?」
泣いてるわたしの頭をクシャと撫でた…
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