「ふはははは。オレを見くびるなよ、アサちゃん」

一度は鳩胸に押し付けようとした右手を夏服セーラーの中に突っ込ませた。こんな。こんなもんがなんだってんだ。ミスリルのよろいなんてこの悪の根源である僕の手にかかればへでもねえ。

僕は。

手に触れたそれを。

思いっきり。

引きちぎった。

「………あ、あぁー…あぁー…う、うう…」

悪寒が。悪寒が背中を無数の芋虫となって縦横無尽にはいずり回る。汗が。汗が額を無数の蛞蝓となって顎に向かってゆっくり滑り落ちる。

今の声はなんだ?

絶対今。今絶対。だって。そんな。

「………うわぁー…起きちゃうぅー…出ちゃうよぉー…う、ぎっ、がぁっ…う、う、ううう…産まれちゃうぅー…よぉー…」

おっぱいが喋った。

あらわになったおっぱいを力いっぱいがっしり掴んだ瞬間におっぱいが喋った。

アサちゃんの目と僕の目が通じ合った。

アサちゃんは。

汗をびっしょりかきながら僕をにやにや睨みつけている。

「喋った」

「………何が?」

今僕の手中におさまりきれないでいるおっぱいだよ。おっぱい。

「うふふふ。あたしのおっぱいね、実は…」

あ。

やめて。

お願い致しまする。