「あぁ、すごい。すごい子犬の臭い。だってほら…あぁ…どうしよう…どうしよう…どうしよおぉおぉおぉおぉおぉおぉおっ!」

「ぎゃあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁっ!」

アサちゃんが野獣と化した。とうとう本性を見せやがった。叫び狂いながら、口許に不適な笑みを浮かばせながら、僕の詰め襟をひんむき出した。あぁ、脱がされる。アサちゃんに、鳩胸アサちゃんに僕の特に部活も何もしてないのに生れつきちょっとガチでムチな裸を、僕の誰にも触れられていない小振りでかわいいチェリー色の乳首を、あぁ、あぁ、うわぁあぁあぁあぁあぁあぁあっ!

「うぉおらぁあぁあぁあぁあぁっ!」

アサちゃんに負けては僕の存在が危ないことになる。なんせアサちゃんは僕を追いやってはいけない境地まで追いやったんだ。だから僕は負けないんだ。アサちゃんを返り討ちにして、犯してザーメン臭くしてお花の匂いを消してこの部屋が子犬の臭いなんかではなくザーメンの臭いがするということを認めさせなければ。それでなければ。僕の。僕の。アイデンティティが。

「アサちゃん!アサちゃん!アサちゃあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁんっ!」

覆いかぶさって僕を貪り食おうとするアサちゃんを向こう側に突き飛ばして、そこをすかさず馬乗りになり、さあ、鉞担いでマウントポジション。振りかざした右手をその目障りな鳩胸めがけて突撃大作戦。

いや、だめだ。