「いや…ううん。…なんか…なんだろ…あれだよあれ。ほら、子犬の臭いする。うん。子犬の頭の臭いするよ」
子犬。なんでだろ。めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど。僕が子犬だと?嘘だそんなもん。どう臭ってもザーメンだろうが。だいたいなんなんだよ子犬って。子犬って。子犬って。ザーメンと言ってくれよ。いっそのことザーメンと言ってくれ。子犬だなんて。凌辱以外のなにものでもない。
「おい、どこが子犬なんだよ!おい!」
僕の顔はきっと窓から流れる夕日のオレンジに混じって、ひそかに赤くなっているに違いない。それはアサちゃんが僕の詰め襟をくんくんくん、それこそ犬のように臭いを嗅ぎ回ってるからではない。それはやっぱり僕が子犬の臭いがすると言われたからだ。僕は一人ぼっちでザーメンを放出することでしか存在価値を見出だせないんだ。いわゆる尾崎イズムと通ずるところもあるのだ。尾崎は夜の校舎窓ガラス割ってまわることで、自己の葛藤を感じつつも、その存在価値を実感せずにいられなかったはずだ。また僕も一人ぼっちでザーメンを放出することに、それとほぼほぼ似たアイデンティティを持つことができたのだ。
それがアサちゃんに子犬の臭いだと嘲笑われて一蹴されたんだよ。
子犬。なんでだろ。めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど。僕が子犬だと?嘘だそんなもん。どう臭ってもザーメンだろうが。だいたいなんなんだよ子犬って。子犬って。子犬って。ザーメンと言ってくれよ。いっそのことザーメンと言ってくれ。子犬だなんて。凌辱以外のなにものでもない。
「おい、どこが子犬なんだよ!おい!」
僕の顔はきっと窓から流れる夕日のオレンジに混じって、ひそかに赤くなっているに違いない。それはアサちゃんが僕の詰め襟をくんくんくん、それこそ犬のように臭いを嗅ぎ回ってるからではない。それはやっぱり僕が子犬の臭いがすると言われたからだ。僕は一人ぼっちでザーメンを放出することでしか存在価値を見出だせないんだ。いわゆる尾崎イズムと通ずるところもあるのだ。尾崎は夜の校舎窓ガラス割ってまわることで、自己の葛藤を感じつつも、その存在価値を実感せずにいられなかったはずだ。また僕も一人ぼっちでザーメンを放出することに、それとほぼほぼ似たアイデンティティを持つことができたのだ。
それがアサちゃんに子犬の臭いだと嘲笑われて一蹴されたんだよ。