「あぁ!もう!嫌い嫌い嫌い。やだ。もうやだ。嫌いよ、トマピョンなんて。なんでトマピョンはあたしより女なのよ。トマピョン、チンコついてんでしょ?なんで影法師は竜神とキスすんのよ。眉毛ないくせに。トマピョンも影法師も嫌い!あー嫌い。もー嫌い」

あぁ、これでプッツンアサちゃんなんてあだ名が着くんだわ。惣流アサラングレーなんて通り名が着くんだわ。次には気持ち悪いとか言っちゃうんだわアサなんて。でももうなんだっていい。トマピョンがゲイでも。影法師が竜神とできてても。そんなのでアサの歪んださだめはどうにかなるわけではない。もっと歪むこともない。トマピョンがゲイでも影法師と竜神ができててもアサはキス三昧セックス三昧にはならないし、竜神とアイスクリーム食べる夢をずっと見続けるんだよ。何も変わらない。変えられてたまるか。他人ごときに。アサはアサの歪んださだめを淡々と処理ってゆくのだ。

さあ、そこの扉を開けて外に飛び出そうよ。ほら。ほらほらほら。脚が軽い。回転回転。脚が回転。脚がチャリのタイヤになってるみたい。きゃーきゃーきゃー。自転車が回転する音は川のよう!トマピョンが遥か彼方であたしの名を叫び散らかしている。全く恥ずかしいったらありゃしない。でももしかするとマックから急に飛び出して街中を爆走するアサの方が恥ずかしいのかもしれない。うん。トマピョンもアサも影法師も竜神もみんなみんな、生きながらにして恥を晒してるんだから、どうだっていい。