「悪い人の夢ってさぁ…どうやったら見せれるもんなの?」

影法師さんの目がキラッと鈍く輝いたのを僕は見逃しはしなかった。そしてそれがどうして輝いたのかを僕は考えないよう努めた。何故なら輝きはほんの刹那の出来事で、それをあらいけないわあたしったら、みたいな感じで直ぐさま消してしまって、またいつもの素敵な三白眼に戻してしまったから。あぁ、一体なんなんだ、影法師ユウ。きみはどうしていつも影法師ユウなんだ。

「それは言えない…だって…魔術だから…しかもゴラミリアン系の…」

それは言ったうちに入んねーのかな。まさかな。そんな絵に書いたようなドジっ子な訳がない。だとしたら僕はさながらエロゲの主人公ではないか。なるほど。エロゲの主人公になるとなんともさめざめした気分に陥るというものだ。やっぱりエロゲは画面越しでやることに意義があるのだ。現実の日常生活がエロゲだとうざったいことこの上ない。

「影法師さん、オレもう影法師さんの夢見れねーよ。だってアサちゃんしか出てこないから。オレの夢。あ!そうだ!そうなんだよ!オレの夢には最近アサちゃんしか出ないんだ!うっわー、思い出しちゃったなー。いやいやいや、しかし」