一方、署に戻った風間と羽田は丁度、K銀行の聞き込みから戻ってきた二人と出くわした。


 課長への報告をしに行く二人についていき、課長の許可を得て一緒に話を聞く。


「K銀行S支店の支店長の話では、どうやら金田は顧客の金を横領していたらしいです。
金田が殺されて、集金先を他の社員が回って発覚したようです。
被害はざっと数百万」

「佐藤は金田の担当区域を金田の前に回ってたとのことで、どうも怪しんでたみたいですね。
最近言い争っているのを見たと女子社員が言ってました」


 他の聞き込みに行っていた者たちもぱらぱらと戻って来て、課長のところへ報告に上がって来た。


「そう言えば金田の妻も金田の羽振りの良さを怪しんでましたね。
しかも自分以外に女がいるようだったと言ってましたし」

「貢いだ形跡は特に見当たりませんでしたが、財布からはレストランやオモチャなど、大量のレシートが出て来てます」


 点と点だった報告が、課長の元で段々と線に近付いていく。


 じっと聞いていた風間が、耳を傾けたままホワイトボードに視線をやる。


「オモチャ……?
金田に子どもはいたのか?」