碧「じゃあまた、夕方にな」
つ「うん。連絡待ってる」
生徒会の帰りにまた会うと約束して、私と碧唯は寮で別れた。会う理由は、合宿の資料を貰うため。
つ「さーってと。夕方まで何しよう?」
寮に帰り、とりあえず制服から私服に着替えた私。
部屋の窓を開けると、吹奏楽の練習の賑やかな音が聞こえる。
つ「いいなぁ…やっぱ楽器の音は落ち着く」
私は音に耳を傾ける。でも携帯の着信音がそれを遮った。
さ「っ!」
碧唯から貰った方じゃない携帯が私を呼んでいる。
何で…まだ何かあるの?
私は小さく震える手で、携帯の通話を押した。
つ「………はい」
更〈つぐみさん?〉
つ「さ…更紗さん…?」
良かった…
伊吹じゃないと分かった私の肌からは、かいていた冷や汗がタラッと流れる。
更〈お久しぶりね。今日から夏休みでしょう?ちょっと会えないかしら〉
さ「え…?」