私が起きるとお母さんもお父さんも居なかった。
ただリビングで泣く弟の健志。

「健志、お母さんは?」

「・・・・グスッ・・グスッ・・」

健志とは話しにならない。
まあまだ健志は幼稚園児。
状況を把握できないのも無理はない。


私は携帯でお母さんに電話する。
しかし電話には出ない。
お父さんも同様、電話に出ない。

私は仕方なく冷蔵庫に入っている物で朝御飯を作る。

「健志、ご飯。」

「グスッ・・・・」

健志は泣きながらテーブルに来る。
私は健志のご飯にふりかけをかけた。

「健志、早く食べないと。」

「・・・・」

健志はお茶碗に入ったふりかけご飯をスプーンで食べる。
時々落とすご飯を拾っては落とす、繰り返しだった。
ご飯を食べながらも何度も電話をするが出ない。
私は怒りが込み上げていた。


何、子供おいて逃げてんだよ。