「…嘘だろ………?」



電話越しに聞こえた報せ。



俺は耳を疑った。



―何も聞こえない
都会の雑音でさえも…
頭が真っ白になる。



無意識に頬を流れた涙。




俺の脳裏には、





いつかの彼女の笑顔が





浮かんできた――








俺の知ってる彼女は



いつも笑ってる子だった。



優しくて、



面白くて、



小さくて、



可愛い彼女に





最初に惹かれたのは















――――俺のほうだ。






高校に入学して2年目。



俺は、2年C組の教室の前に仁王立ちしていた。




(――可愛い子!彼女ほしい!)




なんて思いながら。




「よ!直紀!また同じクラスだな!」



背中を思い切り叩かれて縮こまってる俺に優雅に話掛けてくる親友―七海(男)



「…またお前とかよ」



ボソッと呟いた声が聞こえたのか、もう一度俺の背中を思い切り叩いてから



「可愛い子いるかな~♪」



なんて言いながら教室へ入っていった。






気を取り直して教室に入る。



元々、俺や七海は学年でもやんちゃな存在だったから教室に入れば一瞬の沈黙が流れた。



ゆっくり歩いて席につけば、みんなの視線に追われた。



「髪きれいな色だね」



女の声に沈黙が破られる。



声の方を見れば隣の席でニコニコ笑ってる女がいた。




小さくて



目が大きい



美人というよりは




可愛らしい容姿の女の子だった。







「これ染めてるだけなんだけど」



そう返すと、



「うん、でも綺麗!」



と再び微笑んで言った。




俺の横では七海が「直紀が女の子と話してる!」なんて呟いていた。





これが俺と彼女の出逢い。





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