「椎凪。」



椎凪の方へ、一歩近づく。

すると椎凪は、俯きながら一歩下がった。



「何で、そんなに避けるんだよ。」


「避けてなんか……」


「避けてんじゃねえかよっっ!」



思わず怒鳴ってしまった。

何やってんだ、、

逆効果じゃん。


余計、怖がられちゃってるし……



「ごめん。」


「な、何で、隼人が謝るの……?」


「ビクビクしすぎだから。」


「してないよ……」



何を言ってもこの調子。

俺は何がしたいんだって感じだよな……



「は、隼人……」


「ん?」


「用が無いなら、行っていい?」



そんなに俺といるのが、辛いのか?


まじ、傷つく。


用が無いわけないし…。



「俺と二人が、そんなに苦痛か……」


「そ、そんなこと……言ってないじゃん。」


「だったら、何で逃げようとするんだよっ!」



また、怒鳴ってしまった。

俺は馬鹿か、、、

全く学習能力がないっていうか。



「……………じゃん。」


「え?今、何て……」


「そんなの決まってんじゃん!!」


「決まってるって、何が…」


「どうして隼人と二人っきりになりたくないか。」



――ドキッ



二人っきりになりたくない。

遂に言われた。

いや、
気づいてたことを、再確認させられただけだ。


どちらにせよ。

言われた事実は変わらない。