「そんじゃ、また明日」
「…いつもありがとう」
「全然!これからもよろしくな!」
「うん!」
私は電車に乗り込んだ。
彼は出発するまでホームにいた。
彼は本当に優しい人だって分かる。
きっと、紗月も彼のそういうところに惹かれたんだろうな。
電車が出発して、彼は手を振って帰って行った。
彼に会って思った。
想うだけならって…。
想うだけなら、許されるかなって。
この気持ちは封印して、時に想うぐらいならいいかなって思った。
紗月にも言わない。
彼にも言わない。
私だけの想い。
小さな恋。
だから私は、見守る。
紗月と彼の恋を…。