「あ、高校受かった?」
「まぁね」
元々話すことが苦手な私。
なのに、好きな人相手にまともに話せるわけもない。
だからつい、素っ気ない返事をしてしまう。
「そっか!俺も受かったんだぜ!」
なのに彼は普通に接してくれる。
そんなところに惹かれたのかもしれない。
あと、無邪気なあの笑顔に…。
イケメンだからとかじゃなく、純粋に…。
他の女の子に対してもそうなんだろうけど、嬉しかった。
「華夜ってさぁ…」
急に名前を呼ぶからドキッとしてしまった。
「…彼氏とかいる?」
…嫌味ととってよろしいでしょうか。
聞かれたくないことを…。
ましてや好きな男に聞かれるなんて…。
「…いないし、いたこともない」
言いたくなかったのに。
まさか聞かれるなんて思わなかった。
いたら苦労しないし、あなたを好きなったりしませんから!!って叫びたくなった。