「紗月…」
「私はふっ切れてるから」
元気にそう言った紗月。
夏休みも終わり、学校が始まった。
私は紗月に全部を話した。
彼女は満面の笑顔で“おめでとう”と言ってくれた。
でも心が痛む。
彼を取ったみたいで嫌だった。
それでも彼女は、笑顔だった。
「自分のこと好きじゃないのに付き合えないでしょ!」
強くて優しい紗月。
「それにその相手が自分の親友だよ。嬉しいよ私は!」
私は紗月に抱きついた。
「わぁ!めずらしいね」
「ありがとう」
本当に泣きそうになった。
こんな親友を持って私は世界一幸せなんじゃないかって思った。
これからは全力で応援する。
そして、彼とは絶対に別れない。
これが彼女たちへの恩返しだ。