確かに今は好きかもしれない。


でもバレてしまった以上、片想いなんてしてはいけない。


それに私には…。




「好きなのに諦めるだなんておかしいよ!」


紗月はそう言った。





「いや、だからね」

「確かに今は付き合ってるよ。でも好きなのは勝手だよ。華夜以外にもいるでしょ」




その言葉を聞いて改めて思った。


彼女は強いと…。






「これからはライバルだよ」


紗月は私の前に手を出してきた。




「握手!」


ニカッと笑った彼女に迷いは無かった。



私は頷いて、その手を握った。





「親友兼ライバルだね!」

「あはは」






本当にこれでいいのだろうか。



それでも彼女は負けないよ!と言っていた。


ここまで強い彼女に勝てるわけがないのに…。